| 1 | 「IMF融資からみたバングラデシュの現状と今後の課題」 | 川島哲 | IMF(2023)によれば,2023年12月12日IMF理事会はバングラデシュに対して42か月の延長信用制度(Extended Credit Facility:ECF)及び延長基金制度(EFF)協定に基づく最初の審査を完了した。このIMF理事会に先立ち2023年10月19日のIMF延長信用制度,延長基金制度,強靱性・持続可能性制度に基づく最初の見直しに関してIMF事務レベルの合意に達していた。IMFとバングラデシュとの2023年第4条協議を終了した。2023年1月末に承認され,即時払い込みとして約4億6,830万ドルの融資が行われたこのプログラムで,初回レビューの完了は2回目の払い込み(約6億8,980万ドル)の承認を意味し,これによって累計約11億5,810億ドル(総融資額の約25%)の払い込みが実行される バングラデシュの現状とその課題について記述する。 寺島(2023)によれば,主要産業の縫製業の輸出は世界的な競争力を有しているものの,輸出を上回る輸入拡大により,慢性的な貿易赤字が起きている。それを国外就労者からの郷里送金で補填しているという構造となっているのが現状である。同国の市場規模や豊富な人口,低廉な人件費などが評価される一方で,為替変動や,原材料の現地調達の難しさ,電力不足・停電などのリスクも多い。それに加え,ジェトロ(2023)によれば,外貨需要に対応する目的で本年9月までに外貨準備から31億7,000万ドルを切り崩しドル売り介入を継続している。前年同期の市場介入(35億6,000万ドル)との比較においては減少しているものの,依然として通貨タカ安を抑制する為替制度に大きな変更はみられず,外貨準備の減少に直結している。これらの不安要因は持続可能かつ政局の安定が脅かされる要因となる危険性がある。第12次総選挙が2024年1月7日に予定されており,これら諸問題にいかに対処していくかが現政権の喫緊の課題となっている。さらに,前回の本コラムでも触れたが,現時点(2023年12月19日現在)で3回会合が行われた2026年を見据えた日本とのEPA交渉(「あり得べき日・バングラデシュ経済連携協定(EPA)に関する共同研究」)や今後望まれるRCEPなどへの参加といった経済連携強化に向けた通商政策の構築も課題である。それに加え,現在バングラデシュの経済成長は主にダッカ管区とチョットグラム管区に集中しており,他地区は成長促進に不可欠な物理的及び社会的インフラの不足によって遅れていると指摘されている。ADB(アジア開発銀行)が2023年6月提案した「バングラデシュ経済回廊開発ハイライト(Bangladesh Economic Corridor Development Highlights)」(BEC)構想は,バングラデシュ北東部と南西部の経済的潜在力を評価し,包括的かつ持続可能な開発を達成するため,同地域の総合的開発を提案することを目的に,産業,交通,社会インフラに取り組み,バランスの取れた分散型開発を目指すものであり,この具体化についても注視していきたい。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2023年12月25日 | 『世界経済評論インパクト』No.3233 | | | | | http://www.world-economic-review.jp/impact/article3233.html |
| 2 | 「2026年に向けてのバングラデシュの展望と課題」 | 川島哲 | 経済発展が著しいバングラデシュは2026年に先進国への輸出品の関税が免除される後発開発途上国(LDC:Least Developed Country)を卒業予定である。2022年末に2026年を見据えたEPAの共同研究(あり得べき日・バングラデシュ経済連携協定(EPA)に関する共同研究会合)を立ち上げ,2023年4月からその共同研究を開始させた。この背景にはバングラデシュの「後発開発途上国」卒業後は,LDC向けの特恵関税制度の対象外となり,主要輸出品である縫製品に対して関税が課される場合もあるため,価格面での競争力は明らかに低下するためである。バングラデシュの現状と課題について考察した。1人当たりGDPは2022年は,2,820US$となっており,10年前(2012年)の970US$から約3倍となり急激な右肩上がりでの上昇を続けていることがわかる。経済面では,主力の衣料品などから代替する輸出促進策が急務であり,人口1億7,079万人(2022/2023年度予測 バングラデシュ統計局)と大きな有望な市場である。ジェトロの調べでは,バングラデシュに進出している日系企業(駐在員事務所を含む)は2023年5月時点で338社となり,10年前(2013年)の167社から企業進出数は約2倍となっている。課題としてはいかなる点があげられるか。主要輸出品である衣料品をはじめとした縫製産業は労働集約的産業であり,安価で豊富な労働力を求めることのみならず,今後いかにクリエイティブな産業として生まれ変わり,そのための技術力の向上をいかにするか、さらにRCEPへの参加を期待する声もある。今後に注目したい。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2023年09月11日 | 『世界経済評論インパクト』No.3102 | 日本語 | | | | http://www.world-economic-review.jp/impact/article3102.html |
| 3 | 「アフターコロナと貿易制限措置の課題」 | 川島 哲 | APEC通商担当大臣会合の前夜(日本時間2023年5月24日)にデトロイトで発表された最新のAPEC地域動向分析報告書(APEC Regional Trends Analysis, May 2023)によると,一般政府の総債務は2022年に過去最高水準に達し,先進国ではGDPの112%に急増したが,APEC地域ではGDPの65%に達した。APEC政策支援ユニット(PSU)研究所の上級研究員レア・C・ヘルナンド氏は「パンデミック関連の貿易回復の勢いが弱まる中,商品貿易量も今年は低い伸び率となる可能性が高い。懸念しているのは,特に輸出制限や禁止に関する貿易制限措置の累積である。そして,発効している貿易救済措置の数は増加傾向にある。アンチダンピング措置や相殺関税などである」と述べている。同報告書11ページに貿易制限措置数のグラフが掲載されているが,右肩上がりに増加しているのがわかる。 本年(2023年)5月5日にWHOテドロス事務局長が,新型コロナ緊急事態の終了を宣言表明した。新型コロナは完全に収束したわけではないが,平時に向け新たなフェーズに入っている現在,新型コロナ関連の貿易制限措置のうち輸入自由化や関税削減に関する措置及び輸出制限・禁止措置の緩和や撤廃が望まれる。貿易制限は新型コロナやウクライナ侵攻以外の理由もあるだろうが保護主義化を回避するためにも緩和・撤廃が期待される。さらに貿易救済措置の増加に関しても今後の改善を注視していかねばならない。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2023年06月05日 | 『世界経済評論インパクト』No.2985 | | | | | http://www.world-economic-review.jp/impact/article2985.html |
| 4 | 「貿易円滑化とASEANシングルウインドウ(ASW)」 | | 本稿においても最近の動向を踏まえつつASWについて考察した。ASEANに進出している日系企業の要望という点においても貿易円滑化のASWには期待の度合いが高いといえる。ジェトロ(2022)によれば,ASEANをはじめアジア諸国へ進出している日系企業の経営上の課題の上位項目として「通関等諸手続きが煩雑」が挙げられている(『2022年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)』)。この改善という点においてもASWの進展は喫緊の課題でもある。メガFTAであるCPTPPやRCEPにおいてCLMV(カンボジア,ラオス,ミャンマー,ベトナム)をはじめとした配慮で各種の例外規定がある。ASEANすべてにおいて同じように運用するという点で困難な点も多いことは予想される。しかし,今後の進展に在ASEAN日系企業も期待している。ASEAN域内国においては先発している国が積極的に協力を行い,域外国においても可能な限りサポートを行うことが望まれる。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2023年02月06日 | 『世界経済評論インパクト』No.2838 | | 無し | 無し | その他記事 | http://www.world-economic-review.jp/impact/article2838.html |
| 5 | 「東ティモールのASEAN加盟と今後の課題」 | 川島 哲 | ASEAN(東南アジア諸国連合)は、2022年11月11日ASEANへの加盟を申請していた東ティモールについて加盟を認めることで原則合意したと発表した(ASEAN事務局HP)。実現すれば1999年のカンボジア以来の加盟国となり、ASEANは11か国体制になる。 日本経済新聞社の入手したASEAN首脳会談議長声明案によれば「2025年に正式加盟となることを期待」としている(『日本経済新聞』2022年11月12日)。東ティモールは、ポルトガルの植民地であったが、ポルトガルが1974年に政権交代により植民地政策を変更し、翌1975年11月に独立派(フレテリン等)が独立を宣言したが、インドネシア軍が侵攻し制圧された(外務省HP)。当時のインドネシアはスハルト政権下にあり民主化運動は抑圧されていたため東ティモールは独立運動が制限され、1998年スハルト政権崩壊後のハビビ政権による東ティモール独立政策の転換を受けて、1999年の独立を問う住民投票実施後に国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のサポートを得て3年後の2002年に独立を果たし今年(2022年)で独立20年となった。人口およそ130万の東ティモールは国民のおよそ3割が貧困層とされ、雇用の創出などが長年の課題である。本稿では東ティモールと日本の現在の関係などを中心に考察したものである。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2022年11月14日 | 『世界経済評論インパクト』No.2750 | | | | | http://www.world-economic-review.jp/impact/article2750.html |
| 6 | 「米中対立下のCPTPPとRCEPの今後」 | 川島哲 | WTO(世界貿易機関)によればRTA(地域貿易協定)の数は,WTOへの通報要綱に基づきカウントされている。2022年8月21日時点での発効済みの地域連携数は354件となる。外務省によれば日本の地域連携はTPP12とCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)を1つとカウントすると20を数える。21世紀に入ってからアジア地域の地域連携は約60を数える。ここでは,メガFTAとしてのCPTPPとRCEP(地域的な包括的経済連携)を取り上げ今後について考察した。 メガFTAである両者が今後いかなる針路をとっていくことが考えられるか。論者によっては,両者が統合され,グローバルな自由市場の形成へと近づくという考え方がある一方,両者が経済ブロック化してしまうという考え方もある。両者の関係は,前者の考え方より後者の対立方向へと進むという考え方が現時点では可能性がより高いように感じられる。日本の存在感を示すときが来ている。今後の日本の積極的な関与に期待したい。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2022年08月29日 | 『世界経済評論インパクト』No.2657 | 日本語 | 無し | 無し | 記事・総説・解説・論説等(その他) | http://www.world-economic-review.jp/impact/article2657.html |
| 7 | 「グローバルバリュー・チェーン(GVC)からの課題」 | 川島哲 | 東アジアにおける国際生産分業を促進する3つの要件があげられる。 第1に、比較優位性、第2に、製造拠点を連結する諸機能へのアクセシビリティ、第3に、スケールメリットを十分生かせる市場の存在である。 これらに加え、近年の米中関係の貿易摩擦や経済安全保障に関する問題が生じている。 わが国においても安全保障関連法案が2022年2月に閣議決定され、今国会での成立を目指している。 これをASEANといかに結び付けて考えられるかは大変注目すべき論点である。 ASEANが突きつけられている今後の課題として第1に、「自由で開かれたインド太平洋」という視点において「ASEAN中心性」についてである。このASEAN中心性が再び問われ直している。 第2に、米国の保護主義とメガFTAがどのような針路をとっていくのかという点である。換言すれば、例えば米国抜きのCPTPPが中国や台湾の加入問題でいかに対処していくのか。 そこにASEANがいかに関与できるのか。できるとすればどう関与していくのか。 第3に、ASEANは、QUADやAUKUSなどに埋没しないでいかに東アジア、ひいてはインド太平洋でその存在価値を示し、その存在感を高めていけるのかが今後の大きな課題であると考えている。経済安全保障と同時にASEANにおけるプレゼンスが重要となってくる。 第4に、ASEANのみならず日本がそれにどう関与していくのかが大きく問われている。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2022年04月04日 | 『世界経済評論インパクト』No.2492 | 日本語 | 無し | | 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌) | http://www.world-economic-review.jp/impact/article2492.html |
| 8 | 「サービス貿易の自由化とASEANシングルウインドウ」 | 川島哲 | 東南アジアへ進出している日系企業による要望である「通関における手続きの簡素化」とりわけ,通関申請書の統一,輸出入におけるシングルウインドウ化は日本企業からのAEC(ASEAN経済共同体)において大きく期待されている項目である。これは単にそれにとどまらず,ASEANシングルウィンドウ(ASW)そして,それは貿易面でも東アジア地域の包括的経済連携(RCEP,Regional Comprehensive Economic Partnership:以下RCEP)とも大きく関連している。JETRO「地域・分析レポート」(2021年1月7日)よれば、2020 年 1 月から ASEAN シングルウィンドウが 9 か国(公式には 10 か国)で導入さ れ、ASEAN物品貿易協定(ATIGA) の原産地証明書(e-Form D)の電子的交換が始まった。過去のIMPACTサイトの拙稿でも何度がふれてきたが、サービス貿易の自由化にともない、ソフトインフラ面、ASEANシングルウィンドウ(ASW)の整備やそれに伴う包括的サービス協定の今後の進展が大いに望まれる。その大きな存在であることを再認識していくべきである。そのために日本政府をはじめ官民の協力が必要なときが来ている。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2021年11月29日 | 『世界経済評論インパクト』No.2356 | | 無し | | | |
| 9 | WTOとFTAからみる今後のASEANと日本の課題」 | 川島 哲 | 現在の世界では,自由貿易とは逆の保護主義という潮流が起こっているのは言うまでもない。FTAやメガFTAとよばれるTPPやRCEPはWTOでの交渉不全化という背景からセカンドベストとして出てきた経緯がある。今後検討されるべき課題として,メガFTAがWTOを補完しうる機能を果たしているか,改善すべき点は見直すという行動がASEANのみならず日本にも求められている。内閣官房TPP政府対策本部(2015)は,TPPの意義として地域の成長・繁栄・安定にも資するとしている。ここで,最後の地域の成長・繁栄・安定にも資するという点で,中国とASEANの関係性が大いに問われている。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2021年06月28日 | 『世界経済評論インパクト』No.2211 | | 無し | | | |
| 10 | 「デジタル化に向かうASEANの現状と課題」 | 川島 哲 | コロナ禍の中、ASEAN諸国はサプライチェーンの見直しやデジタル化への傾向がみられる。 特に、ASEANシングルウインドウ(ASW)は、ソフトインフラにおいて注目すべき事項である。 また、コロナ禍により、サプライチェーンの見直しやデジタル化が進んでいる。 ASEANのおかれた現状及び課題について考察したものである。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2021年04月19日 | 『世界経済評論インパクト』No.2127 | | 無し | | | |
| 11 | 「コロナ禍におけるASEANデジタル化の進行とその今後の課題」 | 川島 哲 | 2020年4月14日,ASEAN+3(日中韓)特別サミットがテレビ会議形式で開催された。経済面においては,貿易や投資に関して開かれた市場であり続けるべく取り組むことを再確認する。具体的には,地域の物流網の円滑かつ継続的な運営を行う。 それによって,食料,日用品,薬・医療品などの必需品のサプライチェーンの弾力性と持続可能性を強化する。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2021年01月25日 | 『世界経済評論インパクト』No.2024 | | 無し | | | |
| 12 | 「東南アジア法整備にみる日本の新たな援助」 | 川島 哲 | 国際協力銀行企画部門調査部「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告—2019年度海外直接投資アンケート結果(第31回)—」(2019年11月27日)において,東南アジア諸国へ進出する際の課題として上位に挙がってくるのが,「法制の運用が不透明」という点である。 日本政府は法制度というソフトインフラをいかに支援していくのかこれらが注目されている。当該地域へ進出する日系企業にとっても喫緊の課題である。 ラオスで民法改正,法案の起草支援,東南アジアの法整備に日本が存在感を近年示している。これについて考察した論考である。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2020年10月12日 | 『世界経済評論インパクト』No.1910 | | 無し | | | |
| 13 | 「コロナ感染下にみるASEANにおけるデジタル貿易のルールの取り組み」 | 川島 哲 | コロナウイルス感染拡大にともない、ASEANでは、日本を含め地域協力が進んでいるのだろうか。 遠隔会議などオンラインを活用した会議が進んでいる。換言すれば、ビデオ会議は人々の生活に不可欠なサービスとなったとも言える。 このようなときだからこそ、以下のデジタル貿易のルール作りが急がれる。 特に個人情報保護という視点からのセキュリティ対策づくりが望まれている。 情報通信技術のさらなる発展により、Baldwinの唱える第三次アンバンドリングとしての「テレプレゼンス」や越境サービスが進んでいる。では、ASEANにおいて、この点でいかに模索されているのか。 ASEANでは2016年以降、デジタル貿易に関するルール形成が進んできた。ただ、電子商取引協定を除き、個人情報保護やデータガバナンスに関する取り決めは法的拘束力がなく、一層の規律整備が求められている。本稿ではこれらについての論究したものである。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2020年07月13日 | 『世界経済評論インパクト』No.1810 | | 無し | | | |
| 14 | 「インドネシアの外資誘致と労働法令の改正」 | 川島 哲 | インドネシアでは外資誘致をその主たる目的とした労働関係法令の改正の動きがみられる。その最近の潮流について以下で検討したものである。 ジョコ政権は、約80あった投資や労働関係法を統合し、法制度改正の手続きに入った。具体的には、インフラ開発などを行う際には、中央政府及び地方政府の複数の省庁の許認可をおこなう必要があった。これを中央政府に一本化するものである。これらの外資の要望に沿った形での法改正を行う背景には、労働組合などの反発はあるが、外資をいかに呼び込むかが経済成長率で目標としている6%成長のためには不可欠であるという認識にあるものである。現在インドネシアは年5%成長をしているが、毎年200万人といわれる新規就業者の雇用を確保するには6%成長を掲げているためである。本稿ではこの点に論及した。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2020年04月27日 | 『世界経済評論インパクト』No.1716 | | 無し | | | |
| 15 | 「2020年総選挙に向けたミャンマーの現状と今後の課題」 | | ミャンマーの与党,国民民主連盟(NLD)が主導している連邦議会の憲法改正委員会は本年(2020年)1月27日,現行憲法改正案を提出した。この主な改正点は,国軍の政治関与を低減させることである。可決のめどはたっていないが,本年11月に予定される総選挙を前に一つの姿勢を示したものである。 スー・チー率いるNLDは国軍との関係性の改善を意図したものである。 例えば、軍人枠の縮小から撤廃などが盛り込まれている。 2019年12月の国際司法裁判所(ICJ)でのロヒンギャに対しての発言から西欧諸国の批判を受けたスー・-チー政権の前途は厳しいものがある。 しかし、NLD政権下で減少が続いてきた外国投資だが,復調の兆候もみられる。2018年度(2018年10月~2019年9月)の外国投資認可額は41億ドル(約4,400億円)と前年同期比で27%伸びている。 その政治経済的課題と展望について論述したものが本稿である。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2020年02月17日 | 『世界経済評論インパクト』No.1628 | | 無し | | | |
| 16 | 「インドネシア外資の参入の困難さからみる今後の展望」 | | 日系企業の大きな問題となっているのが人件費の高騰である。 日本貿易振興機構(ジェトロ)の2018年「2018年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」におけるインドネシアでの経営上の問題点として、日系企業が最上位にあげているのが、従業員の賃金上昇である。2017年、2018年と2年連続で断トツのトップである。 業種でみても製造業は原則外資100%可能であるが、商業分野などは外資規制がある。 金融機関においては、日系100%の支店においての日本人比率は減る一方であり、就労ビザも出にくい状況がつづいている。進出形態は、「現地法人」か「駐在員事務所」のどちらかであり、「支店」という形態は認められないためである。 このような輸入規制があり日本企業を苦しめている。 今後、インドネシアが変貌するためには、このような各種法律法令をいかに改正していくかが大きなカギを握ると感じている。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2019年10月28日 | 『世界経済評論インパクト』No.1517 | | 無し | | | |
| 17 | 「ASEANシングルウィンドウ(ASW)の現状と今後」 | 川島 哲 | 2018年のジェトロ調査(「2018年度 アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」)で「輸入通関手続きは,手続きの透明性,予見可能性に関してまだこの側面での改善がはかられているといい難い状況にある。貿易円滑化の旗艦プロジェクトはASEANシングルウィンドウ(ASW)である。ASWは通関手続きを電子化するナショナル・シングル・ウィンドウ(NSW)を各国間で相互に接続し,電子データの交換を行なうプロジェクトである。ASEAN各国の共通の課題がインフラの整備である。インフラといっても物的インフラのみならず,ソフトインフラの整備も含まれている。ASEANシングルウィンドウ(ASW)の整備についてみてみたが,今後の進展が大いに望まれる。ここには日本からの協力という視点も注目している。RCEPとも大きく関連している。これらについてベトナムなどの現状と今後の課題について論究した。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2019年08月12日 | 『世界経済評論インパクト』No.1445 | | 無し | | | |
| 18 | 「ミャンマーとベトナムにみる教育分野での外資進出への制度の変化」 | | 外資進出の対象として学校の進出を考えられないか。というのは、2017年5月にヤンゴンを訪れた際に大手商社とのインタビューで示唆に富むことが多く聞かれた。2015年から日系3メガバンクが入ることで金融に関してのパラダイム変換が起きているという。ミャンマーでは複式簿記が義務化されていない現状にある。単式簿記なので前払いや繰り延べ、償却という概念がない。税制も単式簿記である。これらはJICAなどが人づくりということで少しづつ業務指導を行っているが、今後の会計面での人づくりという面では強化していくべき課題である。れからのミャンマー及びベトナムの制度においてドラスティックな変化が起きている。ミャンマーとベトナムでは教育分野に外資の進出を後押しする流れが出てきている。ここに焦点をあてて論及した。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2019年04月01日 | 『世界経済評論インパクト』No.1327 | | 無し | | | |
| 19 | 「ミャンマー小売業にみる外資規制緩和による新たな展開」 | | ミャンマー商業省は2018年7月26日,卸・小売り分野の外資開放に関する「優先品目リスト」を公表,7月30日には認可に向けた具体的な手続きを定めた「Standard Operation Procedure」に関する説明会を開催するなど,外資開放の動きを加速させている。5月に公布した同省通達(2018年5月22日記事参照)により,一定条件の下で卸・小売り分野における100%外資の投資が認められたが,その後,国内企業からの反発を受けて規制の再強化を検討する動きもあり,動向が注目されていた。「優先品目リスト」は,100%外資企業でも取り扱い可能な品目として,日用品や電化製品など24品目を規定している。これにより,ミャンマー国内の自社製品の輸入販売が可能となった。従来の外資規制においては,国内で生産された製品は卸売が認められていたが,輸入品の販売はできなかった。 この新たな潮流について日系企業の具体的な進出などを考察の対象とした。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2019年01月07日 | 世界経済評論インパクト No.1241 | | 無し | | | |
| 20 | 「ミャンマーにおける外資による教育分野への参入の可能性」 | | 2017年4月からの新投資法の運用,そして2018年8月からの新会社法施行により,ミャンマーの投資環境は着実に整備されてきており,さらなる外資進出につながることが期待されている。この外資進出の対象として学校の進出を考えられないかと筆者は強く感じる。というのは、ミャンマーでは複式簿記が義務化されていない現状にある。 日本をはじめ複式簿記が一般的な国にとっては驚きであった。今後は,ODAなどにとどまらず簿記学校などが進出することでこの環境が変化していくのではないかと筆者は強く感じた。 ミャンマー投資委員会(MIC)は2018年4月20日,教育分野で100%外資による投資を認める通達(No.7/2018)を公布した。これにより具体的流れが出てきている。今後この分野への参入可能性について論究した。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2018年09月24日 | 世界経済評論インパクト No.1165 | | | | | |
| 21 | 「東南アジアのインフラ面の整備及びASEAN首脳構想」 | | 東南アジア共通の課題となっているインフラ整備に外資がいかに関わり、今後どう関わっていくかに関して、制度面などに焦点をあてて考察した。世界の工場と呼ばれた中国から製造業が東南アジア,特にベトナムやタイをはじめとしたインドシナ諸国へその生産拠点をシフトしている。タイとミャンマーは海運が主流となってきたが,南部経済回廊,東西経済回廊などの陸運整備により,陸運もさかんになっている。 それに加え、インフラ開発にとって外資誘致が必要であり,その外資誘致において,手続きを簡素化する必要がある。ミャンマーのティラワ経済特区においてはワンストップサービスが既に行われている。 また,インドネシア政府はインフラ開発において民間資金の活用を拡大する。特に外資進出の際のASEANシングルウインドウ(ASW)、2018年4月のASEAN首脳会議での採択課題などについても検討した。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2018年06月11日 | 世界経済評論インパクト No.1094 | | 無し | | | |
| 22 | 「コメにみるミャンマー農業の今後」 | | ミャンマーの2011年「開国」後の大きな成果は、外国企業の対ミャンマー投資の基盤となる ミャンマー投資法(以下:新投資法)を 16 年 10 月に成立させたことである。 それまでは、外国企業による投資には外国投資法が、 ミャンマー企業による投資には内国投資法が適用されてていた。これらの2つの法律を統合したものである。2017 年 2 月 から 4 月にかけ、複数の施行細則が公表された。優遇税 制、投資奨励分野、規制分野なども明らかになった。 前政権時代には国会での審議がまとまらず、素案の提 出から数年の歳月が経過していた同法が、NLD 政権 発足後、半年余りで成立したことは評価に値する。(水谷(2017)では、新投資法(2016年10月)細則の投資促進業種と制限業種について]JETRO「世界のビジネスニュース 通商弘報」2017年5月30日(https://www.jetro.go.jp/biznews/2017/05/d73f3db54e6cee40.html )から概観した。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2017年12月25日 | 『世界経済評論インパクト』 No.975 | | 無し | | | |
| 23 | 「ミャンマーのオフィス不足問題と外資の参入」 | | ミャンマーのオフィス不足問題について取り上げてみたい。不動産においては、ホテル、ビル不足が恒常化し今後の供給がのぞまれる。ヤンゴンでは、オフィス物件が限定されており、駐在員事務所設立需要が急速拡大しているなか、完全な売り手市場になっている。需要が拡大の一途にあることにより、単価改定を頻繁に実施したいと考えるオーナーの中には、6か月を超える契約を認めない例もあり、オフィス維持自体が不安定である。 2012年以降の契約更改の際には、3倍近い単価改定を飲まざるを得なかった日系企業も存在している。では法制度においていかなる現状となっているかについて論究したものである。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2017年10月02日 | 『世界経済評論インパクト』 No.922 | | 無し | | | |
| 24 | 「開国後」のミャンマーが直面する課題 | | ミャンマーは、2011年3月に民政移管し、テインセイン(Thein Sein)大統領による新政権が樹立された。これ以降のミャンマーの制度面の変更から何が読み取れるのか。これ以外に、今後大きな課題としてあげられるのが以前から問題視されてきた賄賂の要求などの解消である。この払拭こそがまず第一であると考える。そのためにはどうすればよいか。ミャンマーへの投資リスクに必ず入っている法律面での不透明さの解消はひとつの解決策である。経済特区以外でも法律面での緩和やティラワ経済特区で行われているワンストップサービスを他の地域にも拡大していくことがひとつの解決法となるのではないか。今後のミャンマーの課題としてこの点について論究した。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2017年07月03日 | 『世界経済評論インパクト』No.870 | | 無し | | | |
| 25 | 「ミャンマーに導入された電子通関システム」 | | 2016年11月12日にミャンマーで供用開始したマックスの運用が開始された。システムの導入や税関でのキャパシティービルディング(能力構築)に関しては、国際協力機構(JICA)が無償資金協力や専門家派遣を通じて全面的な支援を行ってきた。マックスの導入によって変わる点は、自動審査処理と申告納税制度の導入である。その導入による今後の効果と課題をさぐった論考である。 | 一般財団法人 国際貿易投資研究所 | 2017年03月13日 | 『世界経済評論インパクト』 No.810 | | 無し | | | |